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高粘度製品の充填機!充填する上での注意点

当コラムでは、はちみつやジャムなど、高粘度製品の充填に関する注意点や、高粘度製品を充填するための充填機についてご説明させて頂きます。

高粘度製品の充填に関する注意点

ご存知の通り、充填物には多様な種類があります。大きくは固形・粉体・液体に分類されますが、液体の中でも、低粘度と高粘度では、充填難易度が大きく変わります。

高粘度の液体とは、食品でいうとはちみつやジャムが該当します。化粧品ではローション、工業用ではグリスなどがあります。

低粘度製品、高粘度製品問わず、高品質・高精度の充填を行う場合は、製品仕様によってノズルやピストン構造をカスタマイズすることが重要となりますが、高粘度製品の充填に当たっては以下の点に注意する必要があります。

1)液だれ・糸引きに注意する

高粘度の製品は、低粘度の製品と比較し、充填時の液だれ・糸引きが発生しやすくなります。液だれや糸引きが発生した場合、容器が汚れ生産品質の低下につながります。また、過量・軽量といった充填量に狂いが生じ、過量による歩留まり低下や軽量によるクレーム発生リスクの上昇などの問題に繋がります。

2)粘性を見極め最適なモータを搭載する

高粘度製品の場合は、低粘度製品と比較し、容量の大きいモータを充填ユニットに採用する必要があります。モータ容量の選定には生産能力も影響しますが、製品仕様に合ったモータを選定することが重要となります。
製品仕様を充填機メーカーに伝える際に、高粘度製品の仕様を含めておらず、納品後に高粘度製品に対応できないといったトラブルを防ぐためにも、高粘度だと思われる製品については、仕様を網羅するように注意する必要があります。

3)粘性の変化に注意する

低粘度製品にも言えることですが、高粘度の製品の場合、温度によって粘性が変化することが多くあります。品質の観点においても、充填温度を一定に保つことは重要ではありますが、粘性が変化すると、充填量に狂いが生じたり、液だれや糸引きが発生する場合があります。
粘性が変化しないよう、ホッパーや充填ユニット部に温度調節機能を持たせるなど、製品仕様に合わせて構造を最適化することが必要です。

高粘度製品の充填に使用される充填機

一般的に、高粘度製品の充填には、高い充填精度を出すことができる、ピストン充填機が使用されます。
ピストン充填機の構造は、ピストンによって製品を吸引した後、押し出して製品を充填するため、高粘度の製品でも定量充填が可能となります。

ピストン充填機の構造は以下にて動画で確認頂けます。

また、ピストン充填機は、精度が高く充填スピードを速くできる点もメリットの一つであり、高粘度製品の量産に向いています。

<充填方法の比較:グラビティ式>

<充填方法の比較:重量式>

高粘度製品の充填事例

ここからは当社の高粘度製品 充填事例を紹介させて頂きます。

はちみつ充填ライン導入事例

はちみつ充填の前提として、カビ発生リスクを回避する必要があります。そのため、洗瓶機にはクリーンエアを噴射する、エアリンサーを選定しております。禁水、温度管理ははちみつ充填の必須事項となります。
また、当事例のお客様の課題でもありましたが、充填時の液だれ・糸引きの回避も必須事項です。当社の充填機では、はちみつ用に最適化したシャットノズルを開発したことにより、液だれ・糸引きを回避できるため、高品質な生産を行うことが可能となります。

充填時の温度管理については、ホッパー内に温度検知センサーを搭載し温度管理を行えるようにし、充填機のタッチパネル上で温度確認ができる仕様としています。(※必要に応じ、温水による保温も可能です。)

製品検知に通電式のセンサーを使用すると、絶縁体であることから製品検知を行うことができず、チョコ停発生リスクがあるため、ガイドバルス式のセンサーを搭載しています。

グリス充填ライン導入事例

グリス充填ライン 図面画像

2連ピストン充填機を採用することで、28本/分という希望能力に対応しました。2連にすることでラインサイズが多くなりますが、レイアウトを見直し、さらに機器構造をカスタマイズすることで、有効スペース内に収めております。

充填時、エアー噛みのリスクがありましたが、容器を4000回/分のスピードで回転させながら充填することで、エアー噛みを回避しました。
既設機では、ネジ山を越えてキャッピングしてしまうことがありましたが、サーボモータでトルクを管理し、生産立ち会い時にトルクを最適化することで、キャップ不良による品質低下と歩留まりの低下を防ぎました。

樹脂ジャバラカートリッジは、搬送時に傷がつきやすい容器であり、容器接触部のガイド等には樹脂を採用しております。また、SUS部品等のバリについては、出荷前の徹底した検査で排除しました。

容器供給に関して、作業を効率化するために段ボールからの直接供給が可能な仕様としました。これにより、作業者が一本づつ取り出し並べる必要がなくなり、大幅に生産性が向上しました。

軟膏クリーム・ローション兼用充填ライン

軟膏クリームと化粧水(ローション)の兼用充填ライン 図面画像

軟膏クリームと化粧水の兼用ラインであるため、シリンダーの型替えのみで両製品の充填が可能なピストン式充填機を採用しました。また、有効スペースが限られていましたので、間欠ロータリー式の充填機を採用しています。レイアウト構築の際、容器の取り出しの工夫が必要であり、エアシリンダー・ロボシリンダーを活用した自動容器取り出し及び移載を採用することで、省スペース化を実現しています。当取り出し装置の近くに作業者がアクセスする可能性があったため、エリアセンサーを設け安全対策も行っています。

高粘度製品の充填機は当社にお任せください!

今回の記事では、高粘度製品の充填及び充填機についてご説明させて頂きました。当社では、食品・化粧品・医薬品・工業品など、高粘度製品の充填機導入実績を多数持ちます。
高粘度製品の充填にお悩みをお持ちの皆様、また、高粘度製品用充填機の導入を検討されている皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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液体充填機・充填ライン.comを運営する株式会社メイワは、食品工場を始めとして、医薬品、化粧品、工業製品製造工場など、様々な業界の皆様の“無理難題”に立ち向かい、課題を解決してきました。多品種少量生産から完全自動の量産ラインまで対応させて頂きます。お気軽にお問合せください。