ポーションカップ充填! 充填を高精度に行うポイント
ポーションカップ充填の際、充填機構造のここが変わる!
ポーションカップとは、ひと口サイズのゼリーやドレッシング、ディップソースなどを入れる小型容器の名称の一つで、蓋が圧着されたプラ容器です。容量はおおむね 50ml 以下となります。 ポーションカップへの製品の充填には主にピストン式液体充填機を使用します。
ピストン充填機で 50ml 以下の少量充填に対応するためには、ピストン、シリンダの直径を小さくする必要があります。ピストン充填機の充填量はシリンダの直径(面積)とピストンのストローク(移動量)の積で決まります。直径の大きいピストン、シリンダを使用し、ピストンのストロークを短く調整して少量充填を行うと、ストロークの誤差が充填量に大きく影響して充填精度 が悪くなります。直径の小さいピストン、シリンダを使用し、ピストンのストロークを長くして充填を行うことで、ストロークの誤差の充填量に対する影響が小さくなり、高精度な充填が可能となります。
ポーションカップ充填の場合、ブリスター包装機(容器成型シール打抜き装置)に充填機を連結するため、多数個同時充填となることがほとんどで、多連式充填機が中心となります。1列充填の場合はノズル 12本以上、多列充填の場合はノズルが 50本程度となる場合もあります。
ポーションカップ充填が行われる製品
ポーションカップ充填が行われる製品は、濃縮タイプのたれ・つゆ、調味料、濃縮コーヒー、ガムシロップ、はちみつ、ジャム、ゼリー、等の少量個装品となります。
ポーションカップ充填を高精度に行うために注意すべきポイント
ポーションカップへの少量充填時は、ホッパ内や液導内の製品に少量の気泡が入っているだけで、液だれや充填量のばらつきにつながります。充填開始時には十分な液抜きを行い、製品内の気泡を除去しておく必要があります。この作業を行うことで液だれなく、ばらつきの少ない少量充填が行えます。また、気泡を早く除去するためには液導ホースを細くする方法も効果的です。
ポーションカップ充填に最適な充填機と選定のポイント
ポーションカップ充填にはサーボモータ駆動のピストン充填機が最適です。エアシリンダ駆動と比べてタッチパネルから微細な充填量のデジタル設定ができ、繰り返し精度も優れているためです。また、充填速度(流速)を充填途中で可変できるため、例えば最初を低速に設定することで液跳ねを防止できます。
ノズルは充填物により最適な構造を選定する必要があります。ある程度粘度の高い製品であればパイプノズルをおすすめします。構造がシンプルで洗浄時も分解が不要なためです。粘度の低いものはショートノズルが適しています。サブピストンと呼ばれるバルブが内蔵されておりノズル内の液導を開閉します。液導径を大きくできるため具材入りの製品にも対応でき、確実に充填液を止めることができます。
このような充填機とノズルを選定することにより安定した少量充填を行うことができます。
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