液体充填機選定ナビ

充填機の選定のポイント

多様な充填機がある中で、最適な充填機を選定するためには以下の点が重要となります。

Point1 充填物を考慮した充填機選定

充填機を選定する上では、充填物を考慮した機械選定を行う必要があります。

①充填物は何か
②充填物は高粘度か、低粘度か
③固形物が充填物内に入っているかどうか
④充填時の温度は何℃か
⑤充填容量（重量）は何gか

これらの充填物仕様は、例えば、

• 粘度が高い場合グラビティ方式では充填が難しく、ピストン式の充填が適切
• 水などの低粘度の場合、比較的低コストのグラビティ式で充填が可能
• 重量表記される商品は、ピストン式より重量式が適切
• 固形物がある充填物ではグラビティ式は難しく、重量式・容量式の選定となる

など、充填方式に影響します。

また、充填物によっては、液だれがしやすい商品もあります。充填機メーカーは、知見がありますので、商品によって液だれのしやすさを一目で見分けることも可能ですが、成分をはじめとして充填物が全く同様ということはありませんので、充填テストにより液だれの確認をすることを推奨します。

充填物によって、ノズル構造やピストン用のモーター容量選定など、細かな仕様が変わりますので、製品仕様は細かく伝えることが重要となります。

Point2 容器を考慮した充填機の選定

充填物と同様に、充填容器を考慮して最適な充填機を選定する必要があります。

充填容器では、特に以下の点が選定に影響します。

• 容器種類（樹脂ボトル、瓶、パウチ 等）
• 容器サイズ・形状（①容器高さ ②ネックサイズ ③胴回りサイズ ④充填口径）
• 容器材質

充填容器は、充填方式に大きな影響を与えるものではありませんが、搬送方式に大きく影響します。自立できる容器であればコンベア搬送が可能ですが、自立が難しい容器の場合、ネックをつかみ搬送する方式をとります。

容器サイズは機械サイズ・レイアウトに影響します。機械設計・製作後の仕様変更が難しくなりますので、充填を行う可能性がある容器に関しては、漏れなく充填機メーカーに伝えることが重要です。

また、容器によっては図面と実寸法に差があることも多く、図面の支給だけではなく、実容器も充填機メーカーに渡すことを推奨します。

Point3 充填能力・充填精度を考慮した充填機の選定

充填機を選定する上で、充填物、充填容器と併せて重要なのが充填能力です。

充填能力は

①充填ヘッドの数の選定
②間欠式、連続式の選定
③ロータリー式、直線式の選定

等、充填機構造に影響します。

また、充填精度も機械選定に影響を与えますので、充填精度の要望を充填機メーカーに必ずお伝えください。ピストン式、重量式の場合、高精度充填が可能となりますが、グラビティ式に関して精度が低下しやすい傾向にあります（一方で低コストといった強みもあります）。

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